コナンめも日和

「名探偵コナン」についてサンデー中心に書いています。

FILE1064 暗中の灯火

週刊少年サンデー2020年52号掲載

原作約1ヶ月ぶりの連載再開!

2号連続繋がる表紙で登場!

組織編ますます大変なことになってきましたね…

まず今週のサンデー表紙、コナンや赤井、ジェイムズ、キャメル、ジョディ先生に工藤優作、有希子…と豪華なメンバーが表紙を飾っていますね。

ジェイムズとキャメル、ジョディのFBIの面子や工藤夫妻はサンデーの表紙に初登場。しかもカラーで描かれることがなかなかないキャラなので、結構貴重。

繋がる表紙なので、右側に次号のサンデーが繋がる訳ですが、おそらく黒ずくめのメンバーが勢揃い!するんでしょうね〜

ジンやウォッカベルモットキールキャンティ、コルン…は登場しそう。ただ、RUMやバーボン、あの方は微妙なところかもしれません。

☆☆☆

年賀状プレゼント!

クリスマスカードに続き、年賀状プレゼントも。

クリスマスカードは昨年と同じく赤井ファミリーで、内容的には昨年の続きみたいな感じでした。

年賀状も同じく、昨年に引き続きチュウ吉と由美。しかし、由美が酔っ払っていて、後ろのコナン&蘭が牛のコスプレ…というかわいいものに(笑)

クリスマスカードも年賀状も昨年と同じ構図なのは、劇場版『緋色の弾丸』が延期になったことで、まさかのストーリー仕立てになりましたね。


さて、扉は顔に泥を塗るコナン… なぜこんなことをしているのかは、読めば分なるほど! スカウトスーツですか。


☆☆☆

東京湾に落ちて泳ぎ続けるキャメルは、ある島の岸にたどり着く。

レンガの積み方から、海猿島だと推理する優作。そしてキャメルを迎えにいくため、昴に変装した赤井。

乾電池とチューインガムの銀紙で火を起こし、暖を取り、濡れた服をバスタオルに挟んで踏み、乾かすキャメル。

一方組織は、海に転落した運転手が消えたことを知り、コルンが見覚えのある男と関係しているのではないかと推理。

そんな中、海猿島に灯っていた火が消えるのを偶然目撃したジンは、RUMの手配したクルーザーに乗って、一斉に海猿島へ。

組織に島の灯りを目撃されたことに気づいたコナンと赤井は、キャメルにスカウトスーツに見を包んで森に隠れるよう指示。

島に到着したジンは、足跡やたき火の石から、島にFBIがいることを察知し、捜索を開始。

運転中の赤井に、キールから電話が入る。次キャメルに遭遇した場合、顔を狙うと宣言し――!?


☆☆☆


●キャメル絶体絶命!?

この間東京湾に落ちて、なんとか組織の追ってから逃れたと思っていたキャメル。

しかし、休む暇もなく、島での鬼ごっこ「逃走中」が始まってしまいましたね。「逃走中」は黒服からエリア内を逃げ回るTV番組。まさに今回のシチュエーションと同じ…

無人島といえば、青山先生がはまっている「あつまれ どうぶつの森」こと「あつ森」…もしかすると、そもそも組織が無人島で捜索する展開の元ネタは、これなのかもしれないですね(笑)


さらに今回キャメルが泳ぎ着いた「海猿島」の元ネタはおそらく「猿島」。

https://www.tryangle-web.com/sarushima/

岸からの階段やレンガなど、一致する箇所が結構ありますし。以前TVでも紹介されていましたが、一度行ってみたいですね〜

フランス式のレンガの積み方で場所がわかるというのも、単行本がレンガのコナンらしい展開。2時間あれば1周できてしまうほど小さな無人島なので、組織が数人で捜索すると見つかってしまいそうな予感…

地図で見ると、猿島(海猿島)って海ほたる(海ボタル)から結構距離がありますね。

直線距離で26kmほど… 潮の流れがあったとはいえ、30km近く泳ぎ続けたキャメル凄い!

猿島から神奈川県の横須賀の岸までは1.5kmほどなので、島で待機せずに泳いでしまった方がよかったかも…? しかし、そんなことをする時間もなく組織のメンバーが来てしまったので、島の中で逃げ回ることに…

●赤井、昴に変装

キャメル救出にコナンと赤井が動き出す…

赤井はまたしても素顔+帽子で外出するのか!? と思いきや、沖矢昴に変装。それでも、組織に目撃されたら怪しまれそうですが。

今回は変装に有希子さんの手が新たに加わっており、防水仕様に。

雨や風に強いそうですが、もしかして、今回赤井が海に落ちたりするんでしょうか…

赤井のことを「元々超男前だけど…」と思っている有希子さん、かわいい(笑)

しかし、チョーカー型変声機が丸出しで、もうハイネックは着ないんですね…

そして、優作にコナンを連れて行っていいかと聞く赤井。まぁ赤井はコナン=新一だと密かに知っていますし、優作にわざわざ聞いたんでしょうね。


昴に変装した赤井が、赤井の声で喋っているのを「変な感じ」と指摘したコナン。そんな赤井は変声機を使って昴の声で喋り始める…

昴さん、というか置鮎さんの出番が来ましたね。と言っても赤井成分たっぷりの昴さんですが(笑)

●今週の豆知識

組織編になってから、毎週のように豆知識が出でいますね。

・乾電池とチューインガムの銀紙で火を起こせる

・濡れた服をバスタオルで挟んで踏んだら、早く乾く

・保冷剤をお湯で温めればカイロになる

・オリーブオイルを服に染み込ませて土をこすり付けるとスカウトスーツになる

「コナン君の言った通りだ!」と子どものようにはしゃぐキャメルかわいかったです(笑)

これらはなんとなく『ゼロの日常』でも使われそうなネタだと思いました。

いつの間にかキャメルの無人島生活がスタート。まさに「あつ森」状態。しかし、ここで油断したことで組織に存在を気付かれる展開になってしまうとは…

●ジンに見られた!

海猿島で灯していた火を、赤井の指示で消したキャメル。しかし、火は対岸から丸見えだったために、消えるところをジンに見られてしまう…

ジンの目ってあまり見えていないのかと思いきや、ちょっと鋭いですよね。

そしてしれっと組織のメンバーの会話を盗み聞きしているRUM。ちゃっかりクルーザーを手配しているという用意周到なところもさすが組織のナンバー2。

島に向かうクルーザーの先頭に立っちゃうジンも、ちょっとジンらしいですよね。『魚が消える一角岩』の昴を思い出しました。

砂浜についた足跡を見て、角が立ったままなことや熱を帯びた石を発見するなど、ちょっとジン 感覚が鋭すぎないですか!? 冴えすぎですよ!?

ジン「散って捜すぞ!」に対して、全員が「了解!!」と言っているコマ。みんながジンの方を向いて言っているせいなのか、シュールな光景…

ここまでジンが活躍していると、やはり100巻の鍵穴は「ジン」の確率がどんどん高くなってきている気がします。

キールからの電話

キールから赤井へ直電! まさか直接連絡してくるとは意外でした。

これをRUMやジンに聞かれていたらアウトですが、この時はおそらく他の通信は切っているんでしょうね。

もし島でキャメルを発見したら、「顔を狙わせてもらう」と一言。
顔を狙って撃つことで、殺された捜査官が誰だか分からなくするつもりなんでしょうね…

キャメルの生存がバレると、キールの正体もバレかねないですし、赤井の生存もバレることになりますし…

しかしわざわざそのことを言うために赤井へ連絡してくるキール

コナンが結構驚いた表情していましたね。まぁまさかこのタイミングで連絡が来るとは思いませんし。

キールといえば、今回のシリーズの序盤でもコナンのことをさり気なく守っていましたし、うまいこと任務こなしている感じが凄いですね。

そんな緊迫感の中、島でキャメルは組織から逃げ切れるのか……次号が楽しみです!


名探偵コナン 警察学校編 LAST CASE.13 桜梅桃李

週刊少年サンデー2020年51号掲載。

警察学校編、完結!!!!

表紙は帽子を投げる5人…卒業式の風景ですね〜

最終回の作品が表紙を飾るのも最近のサンデーでは珍しくないですが、ついに完結の時が来たんだとしみじみしますね。

一方本編は巻頭カラーではなく、いつも通りの12ページ構成。全体的な総括のような感じで、まさに「降谷編」であり、最終回でしたね。

サブタイトルの「桜梅桃李(おうばいとうり)」は、「桜、梅、桃、李(すもも)」のこと。

それぞれが美しい花を咲かせるように、他人と自分を比べることなく、個性を磨いていこう。そんな思いが込められているそうで。

警察学校編のそれぞれの個性が、降谷零の中にも活かされている…それを表すような四字熟語ですね。


☆☆☆


警察学校の前に停まったRX-7を見ている女子大生。降谷零は2人に見学していくといいと声をかける。

松田は諸伏が兄に送る写真を撮影し、写真にこっそりヒゲを描き足していた。そして、「ヒゲ面も悪くない」と言う諸伏。

卒業式には警視総監も登壇し、松田は警視総監をぶん殴ることはせず… 卒業式代表として呼ばれる降谷。

7年後の現在、ポアロにて安室と梓。

料理が得意な安室は、以前諸伏に料理のコツを教わっていたことを思い出す。

グラスを割った客のトラブルを論理的に説明する安室は、伊達のことを思い出す。

割れたガラスを拾おうとする梓に対して、慌てないでと声をかける安室は、松田のことを思い出す。

RX-7に乗り込む安室は、萩原のことを思い出す――

そんな降谷零は、4人の思いのもとに組織を探るべく潜入する日々を送るのだった…


☆☆☆

美和子と由美

まずなんといっても、最終話の冒頭。2人の女子大生は佐藤刑事と由美さんですよね(笑)

停まっているRX-7は暴走事件でボロボロになったものをきっちり直したもので、佐藤刑事の父親が乗っていたものを鬼塚が預かっているんでしたね。

だから佐藤刑事が「似てる」と言っているのは間違いではなく、後に彼女の愛車になるんですよね。

そして、2人は降谷零と会話しているんですが、後々「安室さんって、あの時の警察官なんじゃ!?」と思い出す展開とかあったら大変…

伊達さんのロッカーに入っていた警察学校時代の写真を見て、佐藤刑事がピンとくる展開もあったり?

まさかこんなところで安室と佐藤刑事、由美との接点があったとは意外でした。

警察学校は半年間なので、9月卒業。佐藤刑事が入学するのは半年後の4月。

彼らがヤンチャしたせいで、規律が厳しくなったというあの話に繋がりますね(笑)

諸伏の男前な写真

松田と降谷が撮った諸伏の制服姿の写真。

これはこの間アニメでも放送されたコンクパール「妖精の唇(フェアリーリップ)」の話で、諸伏高明警部の回想で出てきた写真ですね!

「今日からオレも警察官だ!」というメッセージを添えて、兄に送ったという…

あの時ヒゲが描かれていたのは間違いではなく、まさかの松田の落書き…(笑)

これをきっかけでヒゲ面も悪くないと思い、スコッチの時がにヒゲをはやしていたんですねぇ。

警視総監との因縁

松田は警視総監をぶん殴るために警察官になったと話していました。

その警視総監が卒業式の祝辞に現れる!

警視総監といえば、『まじっく快斗』の白馬探の父親は警視総監でした。

しかし、今回登場したのは百田陸朗(ももた ろうろう)警視総監。

どうやら警視総監の任期って3年くらいなので、白馬警視総監が登場するのは、青山ワールド的にはもう少し後、ということみたいですね。

結局警視総監を殴らないと微笑む松田に対して、「ガキだな…」と4人。ほのぼのとした日々で、もう少し彼らを見ていたいくらいですが、月日は流れて7年後。


29歳の降谷零

22歳の7年後なので、29歳。この7年間に本当に色んなことがありました。

それを降谷零の回想ととともに描き、もうこの4人がこの世にいないことを描写する…

まさに「降谷零」とは何か…を描いている部分だと感じました。


降谷零…現在の安室透は、まさに諸伏・伊達・松田・萩原 4人の影響を深く受けて今も生きているということ。

料理ができるようになったり、爆弾が解体できるようになったり、車のドライビングテクニックや冷静な判断力など、あの4人に出会うまで降谷零にはなかったものが、4人に出会ったことでできるようになった。

けれども4人はもうこの世にはいない…

諸伏は自決、伊達は事故死、松田と萩原は爆死…

特に萩原は9月に卒業して11月に亡くなるという早すぎる死…

やっぱり萩原が7年前に亡くなっているのはあまりに早すぎでしたね。『揺れる警視庁』の時がそうだったので、設定を変えることができなかったのかもしれませんが、色々と気がかりだったりします。

ラストは走るRX-7と降谷のアップで完結。この表情は降谷零というよりバーボンですね。

「それでも遺志は、この男に受け継がれている」というアオリにもぐっときますね。


『警察学校編』について

今回で完結した警察学校編。

全13話という連載の中でも短い話でありながら、約1年以上連載されていた作品。最初の告知を合わせると2年たっているんですよね。

最初は『ゼロの日常』の続編か番外編的な立ち位置で始めるシリーズなのかと思っていましたが、青山先生がネームを仕上げて、作画修正もする気合いの入れようでした。

もう青山先生が描いてしまえばいいのではと思ったりもしましたが、そうなるとまた大変だったりするので、原作と作画を分けるこの形が取られたんでしょうね…

内容的には原作にも繋がってくる小ネタも盛り込まれていて、ニヤリとするポイントもたくさんあったので、メインの5人のストーリーとともに、色んな部分で楽しめた作品だったかなと思いました。

目次コメントで青山先生が「関係者が出てくるかも」と発言されている件。もしかして、鬼塚教官が今後の原作で出てくるんでしょうか?! 犯人の外守が出てきたら怖いんですが…

今後も警察学校編が原作に与える影響もありそうです。

そんな原作は次号で連載再開!! FBI連続殺害事件の第4話を掲載! キャメル、無事に逃げ切れたんでしょうか。

しかもまたしても2号連続の繋がる表紙!!!!


春に赤井ファミリーの表紙が繋がったのは記憶に新しいですが、次は組織とFBIの集合表紙になるんでしょうかね。こちらも楽しみです!



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名探偵コナン 警察学校編 CASE.12 桜花爛漫

週刊少年サンデー2020年50号掲載


緊迫の諸伏編最終話!

ついに15年前の事件の犯人や真相が次々に明らかになりました。

サブタイトルの「桜花爛漫(おうからんまん)」は、満開の桜の花が咲き乱れている様子…まさに、扉のような状況ですね。

そして、諸伏の「桜」発言から、4人で教場旗を広げるというベタな展開もよかったです。


☆☆☆

クリーニング店の外守が15年前の事件の犯人だと気付いた5人。

諸伏が目撃したゴブレットのタトゥーは、観音像のタトゥーがクローゼットのスリットで上下見えなくなった時に見えたものだった。

外守の娘が盲腸炎で亡くなったことを受け入れられなかった外守は、病院に連れていった小学校の先生だった諸伏の父親が、実は娘をさらったのではないかと思い込む…

そして外守は娘を探すために諸伏の両親を殺し、今、娘によく似た女の子に何かしようとしている。

外守のクリーニング店の1階には、無数の爆弾が仕掛けられており、怪我をした松田と萩原に代わり、松田の指導のもと、降谷が爆弾を解体することに。

一方、店の2階には外守と娘によく似た女の子が。外守は爆弾で女の子とともに心中するつもりなのだという。

諸伏は外守に迫り、女の子を解放し、爆弾も降谷が無事に解体。一件落着かと思いきや、2階が突然爆発し、炎に飛び込む外守。

諸伏は外守を追い、4人は諸伏の指示を汲み取り、外で桜の描かれた教場旗を広げる。外守とともに諸伏は2階から飛び降りてーー⁉

☆☆☆


●諸伏編、完結

怒濤の展開で諸伏編 駆け抜けましたね!

諸伏の両親に手をかけた犯人は、警察学校御用達のクリーニング店の外守でした。

娘が病死したことが信じられずに、諸伏の両親を殺し、さらには関係のない女の子を巻き込んで心中しようとする、かなりの凶悪犯ですよね…

警察学校の近くに15年前の犯人がいるなんて、偶然にもほどがある…と思っていました。

しかし15年前の事件の時、クローゼットの中で眠る諸伏を発見して殺さないでおき、そばにいればいつか娘に会わせてくれるかも…という考えのもと、外守は諸伏のそばにずっといたのかもしれないですね。凄い執念…恐ろしい…

こんなにもヤバそうな感じの犯人って、最近は原作でもなかなか出てこないんですが、なかなか強烈…


そもそもクリーニング店の外守は「伊達編」の時から登場しているので、今まで少しずつ伏線が張られていたんですね。単なるモブキャラという訳ではなく…

コンビニ強盗の時に外守が「娘のオヤツを買いに」も、独り暮らしなのに娘がいるのは妙だと疑念を抱かせるため。

「萩原編」のバイク店に突然現れたのも、諸伏を見かけてついてきたため…だったりして。

「外守一 (ともり はじめ)」

まさに、はじめから外から見守っていた存在…だった訳ですね…

●焦りこそ最大のトラップ

降谷が『純黒の悪夢』で松田から爆弾解体を教わった、と話していましたが、それが今回の話だったんですね。

クリーニング店に大量の爆弾が仕掛けられていて、松田と萩原は怪我をしているので解体できない… そんなピンチに松田が指名したのが降谷!

松田が猫で怪我をしたことや、外守が工学部出身だったというエピソードがここに繋がってきたのは意外でした。

「焦りこそ最大のトラップ」この松田の発言が、後に『純黒の悪夢』で爆弾解体する降谷(安室)の口から出てくるんですね。熱いですねぇ…

そして、起爆スイッチをカチカチする外守は、『純黒の悪夢』のジンを思い出しました。

あのときもギリギリで解除成功したんですよね。

●業火の救出劇

外守の娘の有里ちゃんの言葉を用いて、外守を油断させ、起爆スイッチを奪い取る作戦の諸伏。

娘が生まれた午後4時半に爆発するように、2階にも爆弾が仕掛けられており、外守は自ら炎の中へ…

諸伏は外守に罪をちゃんと償ってほしいとの一心で炎に飛び込んでいったんでしょうね… 両親を殺めた犯人に死なれてしまっては、彼の心は晴れないままですし。

教場旗で諸伏を受け止める展開は以前予想した通りでしたが、目の前に満開の桜が飛び込んでくる演出は凄く好きです。

4人が旗の端をそれぞれ持って、諸伏を受け止める…まさに5人いたからこそできたことですね。

●僕もそっち側がよかったよ…

まさかの! あの! 警察学校編のティザーイラストの構図でこの話を締めるとは!

青山先生は、あのティザーを描いた時にこのラストを想定していたんでしょうね…

降谷が鬼塚教官を風呂場の前で足止めしている中で、4人は風呂掃除をきちんと終わらせピカピカに。

疲れてぐっすりと眠る4人を前に、降谷は「僕もそっち側がよかったよ…」と思う。

この「そっち側」とは、鬼教官の相手をする側ではなく、風呂掃除をやる側という意味。ですよね…?

後々すやすや眠るこの4人が亡くなってしまうことを考えると、風呂場が生と死の境界線…この世とあの世だと深読みしてしまいがちですが。

単純に一件落着のほっこりラスト…という認識でいいのかもしれません。

●次号、最終回

えっ! 最終回⁉

初見びっくりしましたが、つまり「降谷編」=「最終回」で、1話のみなんですね。

4人は3話ずつで、降谷は1話、全13話。

「13」は「忌み数」とも言われて不吉な数字。

13日の金曜日」といえば、原作でも色々ありましたし、劇場版13作目は黒ずくめが登場する『漆黒の追跡者』でしたね。

まぁ深いこと考えずに、単なる偶然だと思いますが(笑)

降谷編で警察学校を卒業して…色々どうなったのか描かれそうな気がしますね。

単行本 上巻も発売されますし、しかも表紙で最終回。

昔は表紙で最終回はあまりなかったですが、最近は『銀の匙』とかも表紙で最終回でしたね。

そもそも、この警察学校編は表紙掲載率が恐ろしく高い作品なので、最終回表紙は、やはり来たか…という感じです(笑)

どんなラストが待っているのか楽しみです。


名探偵コナン 警察学校編 CASE.11 鳩首凝議


週刊少年サンデー2020年49号掲載


警察学校編 諸伏編、緊迫の第2話!

ついに諸伏の口から15年前の出来事が明かされる…

今回は事件の内容と容疑者の紹介がメインだったので、推理が中心の内容でしたね。

そして諸伏兄弟について改めて考えさせられました。


タブタイトルの「鳩首凝議(きゅうしゅぎょうぎ)」

人々が集まって額を寄せ合い相談すること。まさに、今回の状況ですね。


扉はゴブレットのタトゥーを思い浮かべる諸伏。


☆☆☆

15年前、諸伏家に父の知り合いの男が訪れる。その人物は急に声を荒らげ始め、母は押し入れに景光を隠す。

血の匂いがたちこめ始めた時、男は景光が遊んでいた女の子の名前を呼び始める。

男が血で足を滑らせた際、景光のいる押し入れに寄りかかってきた時、ゴブレットのようなタトゥーを目撃。

その後、景光はいつの間にか眠ってしまい、林間学校から帰ってきた兄に、両親が亡くなっていることを伝えられる。

事件のショックで軽い記憶喪失と失語症になった景光は東京の親戚に引き取られ、後に降谷と出会うことに…

松田ら4人は、その事件に関わっていそうな3人の人物に会っていたことを明かし、それぞれの情報を伝える。

何かが引っかかる景光。昔もらった兄からの電話で、あの時隠れていたのは「押し入れ」ではなく、「クローゼット」だったと言われるが、景光はあの時押し入れにいた記憶が…

景色が犯人を覗いていた隙間は、クローゼットの横のスリットだったのではないかという可能性が浮かび上がり、何かに気付く5人ーー!!!!!


☆☆☆

●タトゥーの真相

警察学校編が始まった時から、ずっとゴブレットのタトゥーが登場していましたが、
あのタトゥーは一種の錯視だったんですね。

ルビンの壺。

見方によっては向かい合っている人物にも見えるし、壺にも見える図形のこと。

諸伏がゴブレットだと思ったものは、クローゼットの横のスリット越しに見た、向かい合った観音像のタトゥー。

ちょうど観音像の間の空間がゴブレットのように見えるので、諸伏はゴブレットだと思い込んでしまったんでしょうね…

縦ではなく、横のスリットで見ることで成立する錯視なので、5人は同時に気付いたみたいですね。

つまり、諸伏の両親を襲ったタトゥーの人物は、クリーニング店の外守。

タトゥーを入れたのは20年前なので、辻褄も合いますし。


教場旗をクリーニングに出すと言っているので、おそらく5人はクリーニング店に向かったんでしょうね…

そこで諸伏編冒頭の火事に遭うんでしょうか…

しかし、諸伏が突っ込んでいるように、15年前の犯人が彼らの周りに偶然現れるなんてことが本当にあるのかどうか、気になる部分ではありますね。

●語られる諸伏の過去

そして今回の話の中心は15年前の話。

諸伏の語り口調があまりにも小説的でびっくりしてしまいます… 彼には文才もあるのかもしれませんね…

普通こういう回想シーンって、話すのは最初だけで、後は自動的に回想が描かれる演出が多いんですが、諸伏が全部話している見せ方ですね。

鉄の匂い=血は、よくある表現なので説明しなくてもよかった気もするような。

諸伏の両親がなぜ、犯人に殺されたのか。なぜ「有里」と呼んでいたのか。

昔よく遊んでいた女の子 有里。犯人はその親もしくは関係者で、諸伏家まで探しにやってきてトラブルになったんですかね。

娘を隠しているんじゃないかと、わざわざ家の中を探し回っているのもおそらくそうでしょうね…

「長野一家死傷事件」と最初の頃書かれていましたが、今回は「長野夫婦惨殺事件」になっていました。

諸伏が怪我していないことから、修正されたのかもしれないですね。単行本でも変更になっているかも。

●諸伏兄弟

それにしても、この回想の中で驚いたのは諸伏高明ーー つまり諸伏景光の兄ですね。

最初の回想では描かれていなかったので気になっていましたが、林間学校に行っていたんですね。

しかも両親を殺され、押し入れの中にいる弟を発見するも、この冷静さ…

林間学校から帰ったばかりの中学生ですが、あまりにも落ち着いていて、逆に怖いくらいです。

いやもしかすると、弟を落ち着かせるために冷静に振る舞っていたのかもしれないですね。

降谷が自慢気に諸伏の兄について話しているのも、一度会ったことがあるから…というのもありそうです(笑)

髭のない諸伏警部。原作の「赤女」で出てきた長野の警察学校時代の回想にも髭はありませんでしたが、一体何がきっかけで髭をはやすことにしたんでしょうね(笑)

失語症になった諸伏。

失語症」は、脳卒中や交通事故で脳に何らかの障害が起こった時に起こるもの。

失声症」は、精神的な問題などでコミュニケーションがとれなくなること。

どちらかというと、失声症が正しいのではないか…と思います。。


そんな声が出なくなった諸伏が出会ったのが、降谷。さらっと諸伏と降谷の出会いが描かれましたね。

降谷と出会うことで、諸伏は声が出るようになり、コンクパール回の回想に出てきたように、兄に電話した…ということに。

兄にとっては、弟が事件にショックを受けて声が出なくなっていることは知っていたでしょうから、
嬉しそうな弟の声を聞くことができたあの電話は兄・高明にとって忘れられない思い出になっているのかもしれませんね…


さて、5人は風呂掃除をさぼって犯人のもとへーー⁉

どんな展開が待っているのか楽しみです。


名探偵コナン 警察学校編 CASE.10 悪因悪果

週刊少年サンデー2020年48号掲載


ついに警察学校編の「諸伏編」がスタート!

サンデーの表紙には5人全員が勢揃いしていますね。

松田編では2人、伊達編では3人、萩原編では4人だったので、この諸伏編で5人揃ったことになりますね!

風呂掃除をしている5人を見ると、あの告知ティザーを思い出します。

PVも公開されました。

緑川光さんが諸伏景光を演じていますね!

youtu.be



サブタイトルは「悪因悪果 (あくいんあっか)」

「悪い行為には、必ず悪い結果や報いがあること」ということで、「因果応報」の悪い方。

今までの警察学校組の悪行三昧を償うチャンス…それが「風呂掃除」だったんですね。


☆☆☆

燃え盛る建物の中へ、仲間の声を振り切って飛び込んでいく諸伏!

その3時間前、風呂掃除をしている5人。

掃除の合間に、諸伏がデザインした体育祭の教場旗をみんなで眺めている。

飾っていたら風に飛ばされ、野良猫に踏まれて松田は怪我をしたのだという。

そのまま旗をクリーニングに持っていこうとした時に、鬼教官に呼び出され、今までの悪行の償いとして風呂掃除を命じられることに。

諸伏は捜索願が出された女の子の資料を見て、何か思い出すかもしれないと資料を持っていく。

捜索願の件について萩原に聞かれた諸伏は、何も答えられず。しびれを切らした松田が、諸伏が両親の事件の犯人を捜していることを明かす。

また誰かが死ぬんじゃないかと怯える諸伏に対し、4人は今まで何とかなっただろと安心させようとする。

そんな様子を見て、諸伏は15年前の事件を話し始めるーー


☆☆☆

●15年前の事件

今回、諸伏にスポットが当たるとのことで、やはり両親の件に触れました。

両親に何があったのか、ついに明らかになりそうですね。

そして、風呂掃除!

初めて警察学校編がスタートすると告知があった描き下ろしのティザーイラストには、風呂場で眠る4人と降谷が描かれていました。まさに今回の話のモチーフになっている…ということですよね?

諸伏が過去を話すのも風呂場ですし、振り返れば警察学校編1話から諸伏の過去は少しずつ登場していたので、
警察学校編において諸伏の過去はかなり重要なポイントみたいですね。

松田が諸伏の過去を知っていたのも意外でしたが、降谷から聞いたのかも。

肩にゴブレットのタトゥーをした男を目撃した押し入れ。

最初は押し入れの下の段で見たものだと思ったんですが、今回は上の段で目撃したことになっていますね。

これって作画ミスなのか、今回のものが正しいのか…


●行方不明の女の子


そして気になるのは、諸伏が気にしていた捜索願が出された女の子。

萩原編で、チラッと女の子の回想がありましたね。

諸伏が子供の頃遊んでいた女の子で、病死したそうですが、気になることがあるそうで。それって一体何なんでしょうか…

諸伏の両親が殺された件と何か繋がりがあるんでしょうかね。

ただもしかすると、今回はその捜索願が出された女の子を犯人の元から救出するのがメインになるかもしれないですね…

今回の話の冒頭では火の中に飛び込む諸伏が描かれているのは、その女の子を助けるためだったりして……?

松田が身に付けている体育祭の教場旗、さらに指に巻き付いた包帯、昨日は雨が降っていた…

何やら伏線っぽい要素がちらほらとありますね(笑)

火災現場から脱出する際、4人が教場旗を広げて受け止める…という展開だったりして。


教場旗のデザインまでできるって、諸伏も才能に溢れていますよね。

ちなみに旗の下にチラッと書かれた助教の名前「松本尚太」。

これは担当編集の「松本敬天」さんと「町田尚太」さんの名前を組み合わせたものですね(笑)

青山先生はよく編集さんの名前を作中に出すんですが、ネームに書かれた名前を新井先生が反映させたんでしょうかね。

●死なねぇよ!!!

「これは俺が解決しなきゃならない事件…」

「もう誰も巻き込みたくないんだ…」

「また誰かが死んだりしたら…」

誰も巻き込みたくない諸伏に対して、松田と萩原と伊達は「死なねぇよ!!!」と一言。

これ、降谷だけ口が開いていないのはわざと…ですよね?

この3人が「死なねぇよ」と言ってしまうのは死亡フラグ感が満載ですが、明るくも少し切ないシーン。

デッキブラシを片手に「悪いようにはしねぇ」と言う松田は、松田らしいですよね…(笑)


果たして諸伏は過去に何があったのか、恐怖の夜…本人も辛いとは思いますが、心して読みたいと思います。