コナンめも日和

「名探偵コナン」についてサンデー中心に書いています。

名探偵コナン 警察学校編 LAST CASE.13 桜梅桃李

週刊少年サンデー2020年51号掲載。

警察学校編、完結!!!!

表紙は帽子を投げる5人…卒業式の風景ですね〜

最終回の作品が表紙を飾るのも最近のサンデーでは珍しくないですが、ついに完結の時が来たんだとしみじみしますね。

一方本編は巻頭カラーではなく、いつも通りの12ページ構成。全体的な総括のような感じで、まさに「降谷編」であり、最終回でしたね。

サブタイトルの「桜梅桃李(おうばいとうり)」は、「桜、梅、桃、李(すもも)」のこと。

それぞれが美しい花を咲かせるように、他人と自分を比べることなく、個性を磨いていこう。そんな思いが込められているそうで。

警察学校編のそれぞれの個性が、降谷零の中にも活かされている…それを表すような四字熟語ですね。


☆☆☆


警察学校の前に停まったRX-7を見ている女子大生。降谷零は2人に見学していくといいと声をかける。

松田は諸伏が兄に送る写真を撮影し、写真にこっそりヒゲを描き足していた。そして、「ヒゲ面も悪くない」と言う諸伏。

卒業式には警視総監も登壇し、松田は警視総監をぶん殴ることはせず… 卒業式代表として呼ばれる降谷。

7年後の現在、ポアロにて安室と梓。

料理が得意な安室は、以前諸伏に料理のコツを教わっていたことを思い出す。

グラスを割った客のトラブルを論理的に説明する安室は、伊達のことを思い出す。

割れたガラスを拾おうとする梓に対して、慌てないでと声をかける安室は、松田のことを思い出す。

RX-7に乗り込む安室は、萩原のことを思い出す――

そんな降谷零は、4人の思いのもとに組織を探るべく潜入する日々を送るのだった…


☆☆☆

美和子と由美

まずなんといっても、最終話の冒頭。2人の女子大生は佐藤刑事と由美さんですよね(笑)

停まっているRX-7は暴走事件でボロボロになったものをきっちり直したもので、佐藤刑事の父親が乗っていたものを鬼塚が預かっているんでしたね。

だから佐藤刑事が「似てる」と言っているのは間違いではなく、後に彼女の愛車になるんですよね。

そして、2人は降谷零と会話しているんですが、後々「安室さんって、あの時の警察官なんじゃ!?」と思い出す展開とかあったら大変…

伊達さんのロッカーに入っていた警察学校時代の写真を見て、佐藤刑事がピンとくる展開もあったり?

まさかこんなところで安室と佐藤刑事、由美との接点があったとは意外でした。

警察学校は半年間なので、9月卒業。佐藤刑事が入学するのは半年後の4月。

彼らがヤンチャしたせいで、規律が厳しくなったというあの話に繋がりますね(笑)

諸伏の男前な写真

松田と降谷が撮った諸伏の制服姿の写真。

これはこの間アニメでも放送されたコンクパール「妖精の唇(フェアリーリップ)」の話で、諸伏高明警部の回想で出てきた写真ですね!

「今日からオレも警察官だ!」というメッセージを添えて、兄に送ったという…

あの時ヒゲが描かれていたのは間違いではなく、まさかの松田の落書き…(笑)

これをきっかけでヒゲ面も悪くないと思い、スコッチの時がにヒゲをはやしていたんですねぇ。

警視総監との因縁

松田は警視総監をぶん殴るために警察官になったと話していました。

その警視総監が卒業式の祝辞に現れる!

警視総監といえば、『まじっく快斗』の白馬探の父親は警視総監でした。

しかし、今回登場したのは百田陸朗(ももた ろうろう)警視総監。

どうやら警視総監の任期って3年くらいなので、白馬警視総監が登場するのは、青山ワールド的にはもう少し後、ということみたいですね。

結局警視総監を殴らないと微笑む松田に対して、「ガキだな…」と4人。ほのぼのとした日々で、もう少し彼らを見ていたいくらいですが、月日は流れて7年後。


29歳の降谷零

22歳の7年後なので、29歳。この7年間に本当に色んなことがありました。

それを降谷零の回想ととともに描き、もうこの4人がこの世にいないことを描写する…

まさに「降谷零」とは何か…を描いている部分だと感じました。


降谷零…現在の安室透は、まさに諸伏・伊達・松田・萩原 4人の影響を深く受けて今も生きているということ。

料理ができるようになったり、爆弾が解体できるようになったり、車のドライビングテクニックや冷静な判断力など、あの4人に出会うまで降谷零にはなかったものが、4人に出会ったことでできるようになった。

けれども4人はもうこの世にはいない…

諸伏は自決、伊達は事故死、松田と萩原は爆死…

特に萩原は9月に卒業して11月に亡くなるという早すぎる死…

やっぱり萩原が7年前に亡くなっているのはあまりに早すぎでしたね。『揺れる警視庁』の時がそうだったので、設定を変えることができなかったのかもしれませんが、色々と気がかりだったりします。

ラストは走るRX-7と降谷のアップで完結。この表情は降谷零というよりバーボンですね。

「それでも遺志は、この男に受け継がれている」というアオリにもぐっときますね。


『警察学校編』について

今回で完結した警察学校編。

全13話という連載の中でも短い話でありながら、約1年以上連載されていた作品。最初の告知を合わせると2年たっているんですよね。

最初は『ゼロの日常』の続編か番外編的な立ち位置で始めるシリーズなのかと思っていましたが、青山先生がネームを仕上げて、作画修正もする気合いの入れようでした。

もう青山先生が描いてしまえばいいのではと思ったりもしましたが、そうなるとまた大変だったりするので、原作と作画を分けるこの形が取られたんでしょうね…

内容的には原作にも繋がってくる小ネタも盛り込まれていて、ニヤリとするポイントもたくさんあったので、メインの5人のストーリーとともに、色んな部分で楽しめた作品だったかなと思いました。

目次コメントで青山先生が「関係者が出てくるかも」と発言されている件。もしかして、鬼塚教官が今後の原作で出てくるんでしょうか?! 犯人の外守が出てきたら怖いんですが…

今後も警察学校編が原作に与える影響もありそうです。

そんな原作は次号で連載再開!! FBI連続殺害事件の第4話を掲載! キャメル、無事に逃げ切れたんでしょうか。

しかもまたしても2号連続の繋がる表紙!!!!


春に赤井ファミリーの表紙が繋がったのは記憶に新しいですが、次は組織とFBIの集合表紙になるんでしょうかね。こちらも楽しみです!



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