コナンめも日和

「名探偵コナン」についてサンデー中心に書いています。

ゼロの日常 TIME.4 特製カラスミパスタ

今回はポアロにて、
梓さんとの日常の1コマ。

安室さんが数々のポアロのメニューを生み出してきた印象がありますが、
今回はあらためて梓さんにも得意料理はあるし、ポアロには梓さんの存在が欠かせないんだと思わせるような話でした。

梓さんが作るポアロ特製カラスミパスタ。
刑事さんにも人気で、原作にもあったように刑事さんもポアロの常連になっているみたいですね。



さて、扉絵は猫の大尉とのひととき。
箒を使っている安室さんを見ると、つい『ゼロの執行人』を思い出してしまいます。

安室さんと梓さんの業務用スーパーでの買い出しも『ゼロの執行人』を思わせる場面。

劇場版では「COSDOC (コスドコ)」でしたが、今回は「ハナヤス」へ。
おそらく元ネタは「肉のハナマサ」…?

しっかりセロリを片手に品定めする安室さん。

劇場版特番では「僕セロリ好きなんですか?」と言っていましたが、
いつの間にかセロリ好きのキャラに定着していますね。

セロリの描写は原作では今まで出てこず、青山先生の発言のみだったんですが、ついに公式スピンオフにてセロリの存在がクローズアップされました。

さらに後の場面では「セロリの在庫」を伺ったことがあるという、安室さんの謎のセロリ好きエピソードも出てきて衝撃でした(笑)

まさかここまでセロリ好きだったとは…



豆知識を披露したり、まるでベルモットが変装しているかのように手を伸ばして安室さんを止めたり、
一番早いレジを見極めたり、ラス1のカラスミを取り合ったり、買い出し中の梓さんは妙に生き生きしていて可愛かったです。

一方安室さんも、セロリの他にも、梓さんの話に「物知りですね」と頷いたり、レジ前のガムを手にとってみたり、さらには目の騒動を解決してみせたり、まさに「安室透」の表情を見せていました。

個人的には、ガムを手に取る安室さんが、ふとした瞬間 素に戻っている感じが出ていて結構お気に入りの描写です。


ラストは梓さんの特製カラスミパスタを食べて、カラスミで揉めていたお客さんとも仲直り。

みんなの日常を守る安室透のカットで締め… 1話のラストとは違い、本当にほのぼのした話で面白かったです。


次回は強さの秘訣の話… ボクシングの強さの秘訣なのか、腕力の強さなのか、心の強さなのか…

新井先生によると、青山先生が実際にネームを描いた話も今後あるそうなので、楽しみです。

来週は原作も連載再開なので、期待が膨らみますね。



…そして。


次のページには話題の『犯人の犯沢さん』の描き下ろしが掲載。

話がなかなかの衝撃で、話題の「降谷のハンコ」を盛り込んだ話になっています。

かんば先生は流行を取り入れるのがうまいですね…(笑)

『ゼロの執行人』興収記録更新と劇場版コナンの転機

現在大ヒット公開中の劇場版22作『名探偵コナン ゼロの執行人

5月20日時点で、累計興行収入が72億円を突破!

累計動員も552万人を突破、

動員ランキングでも6週目で1位獲得し、V6を達成。

さらに劇場版コナン史上最高の興行収入を記録した『から紅の恋歌』の68.9億円を超え、
『ゼロの執行人』が歴代最高記録を更新。

劇場版コナンが興収記録を塗り替えるのは、なんと6年連続。

2013年 36.3億円 絶海の探偵
2014年 41.1億円 異次元の狙撃手
2015年 44.8億円 業火の向日葵
2016年 63.3億円 純黒の悪夢
2017年 68.9億円 から紅の恋歌
2018年 72億円(公開6週目) ゼロの執行人

…まさか、ここまでとはな…と恐ろしくなりますが、多くの方に『ゼロの執行人』を観てもらえて、本当に嬉しいです。

興収80億円も視野に入っていると話に聞きますが、一体どこまで行くのかちょっと楽しみなところです。


劇場版コナンがここまで大きく 多くの方に観られるようになったのは、
今まで積み上げてきたものの結果だろうなと感じています。

諏訪道彦プロデューサーによる「コナンは卒業しない」発言もあったように、

親世代から子世代へと年々新たなファンを獲得していく流れもヒットにもつながっているんでしょうね。


ただ個人的には、劇場版コナンの転機になった作品が3つあると思っています。


1つは、2009年公開の13作『漆黒の追跡者』

黒の組織が5作『天国へのカウントダウン』以来に登場し、興行収入も35億円を記録。

それまで最高だった6作『ベイカー街の亡霊』の34億円を破る結果となりました。

組織効果もあるでしょうが、個人的にはその年の3月に放送された『ルパン三世VS名探偵コナン』のSPも要因の1つになっているのではないかと感じています。

ルパンとコナンの夢の対決、視聴率も20%近く記録し、ルパンとコナンの面白さを存分に描いた作品でした。

この作品によって「コナンの面白さ」を再び感じる結果になり、コナンに注目が集まり、良い宣伝効果にもなったのかもしれません…


2つ目は、2013年公開の17作『絶海の探偵』

『漆黒の追跡者』の35億円を破り、興行収入36.3億円を記録する結果になりました。

この作品以降、明らかに劇場版コナンの方向性が大きく変わったと感じています。

劇場版15作から監督が山本泰一郎監督から静野孔文監督へ変更。

そして、16作目まで山本監督が総監督としてクレジットされていましたが、『絶海』から静野監督のみになり、静野監督の色がより強く。

脚本は『相棒』『科捜研の女』の櫻井武晴さんが初参加し、劇場版の作風もシリアスに。

さらに宣伝プロデューサーに林原祥一さんが着任し、宣伝方法がより斬新 効果的なものに。

他にも要因はありますが、劇場版コナンが明らかに変わり、大人が観て「コナンって面白いな」「観てみたいな」と思うポイントが増えていくきっかけになった作品だと感じています。



3つ目は、2016年公開の20作『純黒の悪夢


劇場版20作目にして、黒の組織とFBIと公安警察の三つ巴の戦いを描いた作品で、興行収入63.3億円。


劇場版コナン史上初めて、50億のラインを超え、60億円を突破しました。

コナンで初めて「入場者特典」を付けた作品でもあり、2018年現在唯一の特典付き作品。

特典といっても、今までの感謝を込めて、感謝のメッセージと劇場版19作品のうち1作品が観られるパスワードが載ったカードで、まさに感謝状でした。

これをきっかけに、過去の劇場版を見直して、さらにコナンが好きになった人もいるかも。


サスペンス要素とアクション要素を存分に盛り込んだお祭りのような作品。

赤井と安室の対決も話題になりました。


原作者の青山剛昌先生は、今までの劇場版全作品に関わっていますが、
『純黒』はアイディアやコンテ ネーム 原画などかなり細かく参加されいることが明らかになりました。

サンデーにそれらを収録した付録『黒の書』がついてきたり、
『シークレットアーカイブス』シリーズが創刊したり、
原作と劇場版との融合がより一層加速した作品になった印象を持ちました。

2014年公開の18作『異次元の狙撃手』では、原作の先を行く展開を見せましたが、『純黒』からその傾向が強まっていきました。


さて、毎年進化し続ける劇場版名探偵コナン

興行記録がどうなるのかも気になりますが、やはり立川監督に変わったことにより、ストーリーがどんな展開を見せるのか…どんな演出が観られるのか楽しみです。


ゼロの日常 TIME.3 眠くない…

1話では安室透、2話ではバーボンが描かれましたが、今回の3話は降谷零が描かれた話ですね。

前回触れられた風見がついに登場ーーと期待した人も多かったはず。


3話目も期待を裏切らない? 意外な一面を描きつつ、二人の関係性 年下上司と年上部下を描いた話になっていたと感じました。



扉絵で安室(降谷)と風見の人物紹介。

ほのぼのとコンビニで買ってきたおにぎりと渡す場面が描かれています。

安室が警察庁の通称ゼロ所属の29歳、風見が警視庁公安部所属の30歳…と 劇場版や原作での設定をきっちり引き継いでいます。

梓さんやベルモットの時は、こんな風に人物紹介がされていなかったのでちょっと新鮮な感じ。


非常階段を駆け上がり、犯人を追跡する風見。
階段から転落するも…間一髪のところで手すりを捕まり助かる、となかなかの身体能力の良さを見せています。

純黒の悪夢』の時は、キュラソーに気絶させられと運動神経的に気になるところはありましたが、
さすが警察官なのでちゃんと鍛えているんですよね。


そして犯人が扉を開けた先にはーー降谷零。

完全に『純黒』を意識されている場面。

新井先生はこの話を描くときに『純黒』を観たでしょうし、かなり参考にされているなぁと感じました。


そして意外だったのが、寝不足の風見に対して安室が言ったセリフ。

「原因はその赤井のような…目の下のクマ…」

風見は赤井のこと知らないだろうし、個人的には少し疑問に思った場面でした。

いつも赤井のことを意識するあまり、つい口に出てしまったセリフというところでしょうか。

何気に2話に1話のペースで赤井が登場していますね(笑)


風見が食事をとっていないことを見抜く安室。

前回の2話で、朝食を作りすぎた安室が「風見にやるか…」と言っていたのが、この場面に繋がってくる訳ですよね。


しょぼ…とメガネを直したり、ガラスに押し付けられたりと風見の色んな表情が見れるのも良いなと思いました。



トリプルフェイスをこなし、食事には気を使って、体調をととのえる上司
報告書がたまってしまい、チョコレート少々しか食べていないために寝不足の部下

上司に代わって運転したい部下
頑なに部下に運転させまいとする上司

そして、

上司の運転する車で、眠りこける部下


上司と部下の対比も分かりやすく描きつつ、
上司のために頑張る部下ってやっぱり良いな…と思える話でした。


今回の風見の人物紹介欄に「上司の安室を懸命にサポートする」と書かれているんですが、まさにその通りで、
風見の必死さや思いがこの12ページの中にかなり詰まっていたなーと改めて思いました。



「説教だな…」と言いつつも、部下の体を思って助手席で寝かせてあげるというのも何気に優しい上司ですよね…

劇場版で安室が「これでよく公安が務まるな」と言ったり、風見が「降谷さんが怖いです」と言ったりしていたけれども、
こういった一面もあるんだ…とちょっと安心しますね(笑)


次回、梓さんと買い出しに行く話ーー『ゼロの執行人』のあの場面が思い浮かびますが、漫画ではどんな風に描かれるんでしょうか…楽しみです!

ゼロの日常 TIME.2 It's a piece of cake

安室透のスピンオフ、連載2話目。

扉絵は、路地裏を歩くバーボン…ですが、何となく新井先生の雰囲気が漂うイラストですよね。

個人的にはちょっとARAGOっぽいと感じました。


夜、ベルモットと食事。

組織としての仕事をした後に食事…
組織絡みの食事シーンといえば、バスジャック事件前のジンとウォッカと歌姫の話が思い浮かびました。

二人が食事しているのは、どこかの高級レストラン…「米花センタービルの展望レストラン」ですね。

レストラン アルセーヌ。

26巻で新一と蘭が食事するレストランで、今回登場する建物のアングルや椅子の装飾が同じですし。

ベルモットの宝物である新一と蘭が約束した場所で、ベルモットはバーボンと食事。

何気にベルモットはバーボンに、ある約束をしている関係ですからね。


…しかし、2話目のメインはなんといっても、フランベ。

ベルモットの口紅と指先は、青山先生がチェックした通りに直されていますね。

「組織」と書いて「われわれ」と読ませるのも、原作を意識している書き方。

怖い顔をしながらコアントローを使ったフランベを見る安室さん…

実はこの後に描かれる調理劇へのギャップを狙った演出なんですが、
バーボンとしての表情を描きつつ、脳内では本当は別のことを考えていた…というのが面白いですね。

そして「It's a piece of cake」というベルモットのセリフも、後半への伏線になっているのも面白いです。


そして、朝ーー

少年のような表情で朝食を作る安室さん、日本の食材を日本酒でフランベ。

きちんと「いただきます」と言う姿は、『ゼロの執行人』プレストーリー「ケーキが溶けた!」を思い出します。

安室さんの料理の手さばきやこの食べっぷりを見ていると、まるで料理漫画か何かを読んでいる気分になりますが(笑)、

ここまで多くの料理を朝食に作ってしまうのは凄いですね…



そう、すべては、「It's a piece of cake」のために…


作中にあった通り「It's a piece of cake」は「楽勝」という意味ですが、

他にも「朝飯前(あさめしまえ)」という意味もあります。


つまり、2話のタイトルが「It's a piece of cake」なのも、
安室さんの「朝飯前」を描いた話だから…ということですね(笑)


来週は、ラストにちらりと安室さんの口から出てきた「風見」の話。

どんな仕事ぶりが描かれるのか楽しみです。


ところで、ちょっと個人的に気になったのが、連載ページ。

今回12ページ連載でしたが、この感じだと、毎週12ページのペースで連載していくということなんでしょうかね…

サンデーは基本16~20ページ連載なので、少し少なめといった形ですね。


毎週連載でなおかつ、青山先生の絵柄に合わせる必要もありますし、無理のない連載ページといったところでしょうか。

『ゼロの執行人』と他の劇場版との繋がり

名探偵コナン ゼロの執行人』が公開されて早くも1ヶ月。
興行収入も気がつけば『純黒の悪夢』63.3億円を超えたそうで、
どこまでいくのか楽しみなところ。


劇場版名探偵コナンは、今までの劇場版とも色んなところで繋がっていたりするので、
見返してみると面白いかも…?なんて思う作品を個人的にリストアップしてみました。


■安室透が登場『純黒の悪夢

今作で活躍した安室透の銀幕デビュー作、劇場版20作『純黒の悪夢』です。

黒ずくめの組織とFBI、公安が衝突。

因縁の相手 FBIの赤井秀一との観覧車の上での格闘も話題にもなりました。

この作品で、安室こと降谷零の部下である風見裕也も劇場版初登場。

ちなみにこちらも『ゼロの執行人』と同じく、櫻井武晴さんの脚本。


■櫻井脚本『絶海の探偵』『業火の向日葵』

「相棒」「科捜研の女」シリーズも手掛けている櫻井武晴さんが劇場版コナンの脚本を書かれるのは、今作で4本目。

先ほど紹介した『純黒の悪夢』、
そして劇場版17作『絶海の探偵』と19作『業火の向日葵』です。

『絶海の探偵』は、イージス艦を舞台にしたスパイミステリー

この作品から毎年興行収入更新の快進撃が始まりました。

京都 舞鶴の海を中心に、コナンと某国の工作員Xとの頭脳戦が始まるのですが、専門用語が飛び交ったり、格闘もあったり、展開が二転三転したり…

個人的には『ベイカー街の亡霊』に次ぐ劇場版コナンの異色作だなと感じています。


『業火の向日葵』は、怪盗キッドゴッホの「ひまわり」を巡るアートミステリー

こちらは本当に賛否両論で、公開までの大人の事情などが見え隠れするちょっと…これでいいのか?と思ってしまう作品。

脚本を担当した櫻井さん自身も、半分以上が別物になっていると言われるくらいの
当初の想定とは全く違う作品になっています。

そもそもキャッチコピーのアートミステリーとは何だったのか…という話なのですが、
調べてみると当時の裏話などが出てくるかもしれません…

おそらく脚本の櫻井さんが劇場版コナンを書いた中で、最も納得いかなかった作品だろうなぁと個人的に思っています。


■毛利夫妻を描いた『14番目の標的

今作は小五郎逮捕という衝撃展開から始まり、
妃弁護士が小五郎のために奔走するという今まであまり見られないテイストでした。
小五郎と英理のラブな展開もあったり…


蘭の両親 毛利小五郎と妃英理はなぜ別居することになったのか?

その謎が描かれているのが、劇場版2作『14番目の標的』です。

『ゼロの執行人』にもそのあたりはさりげなく描かれているのですが…
その部分を描いた立川監督、さすがだな…と思いました。

ちょっと話がそれる感じですが、『14番目の標的』にも劇場版の中心となる舞台の建物が登場します。

「海洋娯楽施設アクアクリスタル」
水に浮かぶタワーのような造形で、今作の「エッジ・オブ・オーシャン」と少し似ているんですよね…

ラストのワイヤーロープが外れる展開は、アクアクリスタルが爆発で崩壊する光景を彷彿とさせました。


話を戻しますと、小五郎演じる小山力也さんと、英理演じる高島雅羅さん。

劇場版コナンでは初共演かと思いきや、劇場版10作『探偵たちの鎮魂歌』で共演しています。

高島さんは、妃英理役。
(何気に英理さんは12年ぶりの劇場版出演だったんですよね…)

小山さんは、竜 阿茶…という冒頭で爆破されてしまう探偵役。

ちなみに、安室透演じる古谷徹さんも、『探偵たちの鎮魂歌』に伊東末彦役で出演されています。



■警察官が狙われる『瞳の中の暗殺者』

今作では、公安の警察官が死傷する大事件が発生しますが、
以前劇場版でも警察官が標的になる事件が起こりました。

劇場版4作『瞳の中の暗殺者』です。

あの佐藤刑事が銃で撃たれてしまう衝撃的な展開で、
初めて観た人は結構ショックを受けた人も多いかもしれません…

警察内の殺伐とした重苦しい雰囲気…なんとなく、今作にも通じる部分があるように感じました。

またこの作品には、個人的に印象に残っている「雨のシーン」があるんです。

実はこれが後々重要な場面になってきます。

『ゼロの執行人』でも印象深い雨のシーンがあったので、観ているとたまに『瞳の中の暗殺者』を思い出したりもしました。



■FBIが初登場『異次元の狙撃手』

さて、劇場版との繋がりについて色々と語ってきましたが、この作品で一応最後にしたいと思います。

個人的に『ゼロの執行人』と対になる作品ではないかと思っているのが、

劇場版18作『異次元の狙撃手』です。

この作品では、ジェイムズやジョディ先生にキャメル、そして赤井秀一といったFBIのメンバーや赤井の妹 世良真純や謎の大学院生 沖矢昴が初登場しました。

ラストには当時衝撃の真実が明かされ、話題になりました。


クライマックスのコナンと赤井の連携プレーも見所のひとつ。

『ゼロの執行人』でコナンと安室が連携したように、こちらもラストで連携しているので、作品構造としてよく似ているものとなっています。

そういう点でも対になる作品ですね。


『ゼロの執行人』を観て、他の劇場版作品を観て、さらにもう一度『ゼロの執行人』を見ると、気付かなかった何かを発見するかもしれないのでオススメです。