コナンめも日和

「名探偵コナン」についてサンデー中心に書いています。

『名探偵コナン 紺青の拳』簡易感想

※以下『名探偵コナン 紺青の拳』ネタバレを含みます。


『紺青の拳』が4/12(金)公開され、10連休ともいわれるGWに突入、興行収入も噂には60億円を突破したそうで、波に乗っているまさに絶好調な劇場版コナン。


公開日に観て、さらにその後も何度も「出国」してきましたが、感想はまだ書いていなかったので 簡易感想を。

昨年『ゼロの執行人』の時は、映画観に行くことを「執行されてきた」という言い回しを使っていましたが、今年は「出国してきた」

劇中でコナンたちがシンガポールに出国していることにかけていますね(笑)


さてそんな劇場版名探偵コナン23弾……

簡単なあらすじ。

シンガポールにて、車の爆破と殺人事件が発生、現場にはキッドカードが残されていた。

京極真の空手大会が開催されるとのことで、シンガポールにやって来た蘭達。コナンはパスポートがないため出国できないはずが、怪盗キッドによって強制的にシンガポールに来させられてしまう。

蘭に名前を聞かれ、とっさに「アーサー・ヒライ」と名乗ることに。キッドの狙いは空手大会の優勝ベルトに埋め込まれた「紺青の拳」と呼ばれるブルーサファイア

キッドと京極の再対決、さらには彼らを阻む魔の手が… コナン改めアーサー・ヒライは謎を解き明かすことができるのかーー⁉


ブコメにアクションにミステリーに コナンの全てが詰まったエンタメ作品だったと思います。

個人的な注目ポイントは次の5つ。


★初の海外 シンガポール

★京極と園子 新一と蘭のラブコメ

★トリニティバトルミステリー

★進化するアクション

★大倉さんの脚本 永岡監督の演出


☆☆☆


★初の海外 シンガポール

劇場版コナン史上、初の海外がメインの舞台になる今作。

『ベイカー街の亡霊』のロンドンはバーチャル空間だったので、劇場版でコナンが海外に行くのは今作が初めて。

なぜから、コナンにはパスポートがないから…

新一のパスポートでは、コナンの姿で入国不可。

それを今回は怪盗キッドが「X線を通さないトランクにコナンを詰めて輸送する」という奇術的な手法で実現させました。

しかしX線を通さないのなら、手荷物検査で不審に思われそうなので、おそらく検査では別の中身が映るようにしているのかもしれません。

シンガポールではコナンではなく、色黒の現地の少年「アーサー・ヒライ」として行動しているのも海外ならでは。


シンガポールが舞台なので、マーライオンやマリーナベイ・サンズ、ラッフルズホテル、ガーデンバイザベイなど、実際に登場する建造物がそっくりそのまま。

まさにシンガポール観光ムービーとしても楽しめる作品になっており、「シンガポール政府観光局」がしっかり協力しています。

映画を観終わったら、そのままシンガポールにも行きたくなること間違いなし。

さらに、終盤ではマリーナベイ・サンズ周辺が大変なことになってしまい、観ているこちらも「これは…シンガポール的に大丈夫か?」と思ってしまうのですが、
シンガポール政府観光局」のクレジットが入っているので、この規模の破壊は許可を得ているみたいですね(笑)

さらに今回は怪盗キッドが登場するので、地上だけでなく、シンガポールの夜景を背に空を飛ぶキッドが観られるのも注目ポイント。

マリーナベイ・サンズでは毎晩「スペクトラ」という水と光のショーを開催しており、「昼」と「夜」で表情を変えるシンガポールが丁寧に描かれていました。



★京極と園子 新一と蘭のラブコメ

今回は蘭の親友 鈴木園子と、その恋人 京極真が大きくクローズアップされた作品。

400戦無敗という向かうところ敵なしの京極ですが、初めて窮地に陥ります。

そして園子との関係にも変化が… ラストの青山先生が描かれた原画にニヤリとしてしまいました。

前髪を下ろした可愛い園子や、京極の絆創膏の秘密が明かされる展開がすごくよかったです。

また、今回は新一と蘭が恋人同士になって初めての劇場版というのもポイント。

しかし今回登場した新一はキッドが変装した新一なので、キッド演じる新一と蘭との駆け引き、それを眺めるコナンことアーサー・ヒライの関係性が面白いことになっていました。

屋上プールのシーンは青山先生が入れたラブコメ

一見すると新一と蘭がプールでドキドキ…なシーンですが、真相が分かってからもう一度みるとまた面白いシーンになっていることが分かります(笑)

ティザーポスターでキッドが蘭に「決してあなたを離しません」…と言っているけれど、実はそれが見事に逆転。これはやられましたね(笑)


★トリニティバトルミステリー

今回はコナン キッド 京極、3人のアクションや関係性が見所のひとつ。

コナンとキッドは今回、ある意味探偵と依頼人のような関係で、対決するというよりも一部協力しあいながら物語が進んでいきます。

キッドと京極は、以前『怪盗キッドVS京極真』での対決以来、今回どんな対決が繰り広げられるのか⁉

白煙の中、白い衣装と白い胴着で繰り広げるバトルは監督のこだわりを感じるシーンでもありました。

コナンと京極に関しては、あまり絡みはなかったですね。

では、どのあたりがトリニティバトルミステリーだったのかというと…

まさにゲストキャラクターの関係性がトリニティでした。

経営コンサルタントのレオン・ロー

予備警察官のリシ・ラマナサン

海賊のユージーン・リム

この3人の思惑が複雑に絡み合い、バトルを繰り広げる…

レオンとユージーンの裏でリシはユージーンと関係を持ち、レオンを裏切り、クライマックスのバトルに突入していく展開はまさにトリニティバトルミステリー。

また、レオンに関しては キッドとも京極とも因縁があるのでまさにトリニティ…

全て思い通りに行くと思っていたレオンが、リシの企てやコナンやキッドの作戦によって最後は全てを失っていく展開は面白かったです。



★進化するアクション

アクションといえば、やっぱり京極さん!

ヘッズリ・ジャマルッディンとの対決、ラストのまるで某格闘漫画のような必殺技は映画館を揺らすくらいの迫力でした(笑)

しかし今回、アクションとしての活躍をしたのは京極さんだけではありません。

キッドもアーサーくんも蘭もさらに小五郎も大活躍!

ここまで全員がアクションで大暴れした作品は今までになく新鮮でしたね(笑)

特にキッドはいつも華麗に活躍するところを今回レオンに徹底的に追い詰められてしまい、そこで色々なアクションを繰り広げるのもポイント。

アクションは劇場版コナンの醍醐味。

クライマックスでマリーナベイ・サンズの船の部分が外れるというトンデモアクションが繰り広げられたのはまさに衝撃というより逆に笑ってしまった人もいるかもしれません。



★大倉さんの脚本 永岡監督の演出

今回の脚本は『から紅の恋歌』を書いた大倉崇裕さん!

ということで、ミステリー部分がしっかり描かれていた印象でした。

空手大会を中心にミステリーが繰り広げられる展開は、かるた大会を描いた『から紅の恋歌』を思わせるところも。

しかし、犯人の動機や伏線などは尺の都合で少し省略されてしまっていたようで残念でした。

ブコメに関しては大倉さんではなく、青山先生が色々と加えたそうで やはり青山先生あってのコナンだなと改めて感じました。

監督は今回初めての永岡智佳監督!

静野監督時代から監督を支え、『から紅の恋歌』では助監督を務めた永岡さんがついに監督に。

特にキャラクターの表情の見せ方は、永岡監督らしい味が出ていたと感じました。

元々少女漫画が好きだという永岡監督なので、キッドの魅せ方にも今までのキッド映画とは違う演出が使われていたように思います。

またキッドは今回新一に変装していますが、他にも3人変装しており、そこも監督の腕が光った場面。

蘭とレイチェルと清掃員…それぞれにキッドらしさが出ていて面白かったです。

さらに隠れキャラとしてキッドの手下 寺井ちゃんもこっそり登場していて、そのさりげない見せ方も印象的。

来年の監督がどうなるのか分かりませんが、今後も楽しみになりました。


☆☆☆


さて…ラストに来年の劇場版の予告が流れるのが定番の流れ。

「ーー届け 遥か 彼方へ」

赤い彗星ルバーブレット 赤井秀一の登場ですね!

舞台は謎の塔と丸い円盤… 噂には名古屋テレビ塔オアシス21だとか。

ーーつまり、舞台は名古屋に…⁉


さて、その真相は冬に明らかになると思いますが、色々と想像するのは楽しいですね(笑)