コナンめも日和

「名探偵コナン」についてサンデー中心に書いています。

ゼロの日常 TIME.9 いけないよ

2週間ぶりの連載再開。

原作の連載がお休みの時に、このゼロティが連載されるという形式に変わりました。

原作の連載再開も楽しみですが、こちらも新展開を迎えたようで楽しみが増えました。


前回、安室さん大好きな犬が再登場しましたが、
今回もあの犬が大活躍するお話。



扉絵は渋谷駅の風見。

中央には安室の後ろ姿が…

そこに安室がいることに気づいていないのか、もしくは『ゼロの執行人』のように他人のふりをして情報交換をした後なのか…

後ろ姿だけで安室透感を漂わせているこの構図、結構好きですね。



安室の愛車の屋根ですやすや眠っていたあのわんちゃん。

安室のアパートまで特定したみたいで、その安室透好きっぷりに磨きがかかります(笑)

河川敷に現れて以降、安室透がいる所に現れ続け、ついに自宅にまで…

まぁこれは、わんちゃんだから可愛いんですよね。

人間だったら逆に、安室透さんに逮捕されてしまうくらいのストーカーになってしまいますし…

怪我をしていたので、洗ってワセリンを塗って手当てをしてあげる安室さん。

ここで唐突にワセリンが登場しますが、安室さんのLINEに「ワセリン」と話しかけると妙に詳しい返答があって面白かったです。


ーーもうここにいては いけないよ

今回のタイトル回収。

犬を置いて、RX-7に乗って去っていく安室。

一瞬寂しげな表情を見せるも、何か閃いた様子の犬。


その後も安室の前に現れては、今度は電柱にぶつかったり、歩道橋から転げ落ちたり、驚くべき追跡能力を見せつつ、怪我をしていくわんちゃん……

見ていてちょっとかわいそうに思いつつも、ちょっと可愛くて……

路地裏で黒猫とケンカをしたり……


ーー⁉⁉

この黒猫はーー!!!


「クロ」じゃないかーー!!!


青山剛昌先生の作品『YAIBA』16~17巻にチラッと登場するボス猫。

YAIBA』はコナンの前に連載していたサムライアクション漫画。

全24巻ですが、コナンほど文字も多くないので結構サクサク読めて面白い、大好きな作品です♪


今回登場した、黒猫のクロ。

主人公の刃がひょんなことから体が小さくなってしまい(コナンのように幼児化ではなく、物理的に小さく)、

屋根裏に潜んでいたネズミたちと一緒に野良猫と対決することになるのですが、
その野良猫たちのボスとして登場します。

「ドクロ」と呼ばれ、ネズミたちに恐れられる存在ですが、ラストには意外な展開!を迎えます(笑)


新井先生のTwitterでは、

「今回は先生に許可を頂いてヤイバの登場キャラ(っぽい)ものを一箇所描かせて頂きました!」

と触れていたので楽しみにしていたんですが、まさかクロだったとは!


YAIBAのこんなマニアックなキャラを描いてくるあたり、
新井先生も相当なYAIBA好きなんだなーと感じてより一層嬉しくなりますね。

もしかすると、このわんちゃんもクロと同じく意外なラスト!を迎えるのかもしれない…そういう思いをこめて、新井先生があえてクロを出したのかもしれません…



「手当てはこれで最後…」

最後の手当ての後。

雨の中、傘をさして静かに横断歩道を渡る安室。

犬が渡ろうとすると、車が急に飛び出してきて……


もう映画か何かを観ているような気持ちになりますが、犬を守って茂みに突っ込んでいく安室さん、本当に彼は凄い人ですね(笑)

つい『ゼロの執行人』のラスト クライマックスを思い浮かべてしまいました。


追いかけてくるなと言っても、怪我をしてまで追いかけてくるので、
一体どういうつもりなのかと犬に問おうとした時……脳裏をかすめたのは、「あの女性(ひと)」との想い出。

このシーンを犬に重ねるのは、もう新井先生完全にこれ狙っていますよね。

幼い頃の降谷零が、わざと怪我することでエレーナ先生に会いに行く口実を作っていたこと…

この事実が明かされたのは、この間連載した原作の「黒ウサギ亭」の話(※95巻収録予定)なんですが、
すぐにこのネタを活かしてくる新井先生のフットワークの軽さにも驚きですね。

あの「黒ウサギ亭」の話を読んでいない方は、わりと何のことやら…と感じている人も多そうですが、
95巻が発売された時に読んでみてください(いつ発売になるのか今のところ未定ですが…)。

ゼロティ1巻は 8月8日に発売決定しており、
来週掲載分まで収録する予定なので、この降谷零の過去が原作よりも早く単行本になってしまうんですよね。

もしかすると、95巻と同時発売ということを見越してこの話を描いた可能性もありますが、
今のところ発売の情報はなさそうですし。


傷ついた犬を昔の自分に重ね合わせている安室。

最初に登場した時、

君も…
独りぼっちか…

と犬に話しかけていましたが、
あの時もおそらく自分自身に重ね合わせていたんですよね…

そして、今回は幼い頃の安室自身に。

一方、安室自身はエレーナに。


あの回想シーンでは、「宮野エレーナ 29歳」と書かれていたので、
まさに安室はエレーナと同じ年齢に。

ますます目の前で傷ついた犬と、幼い頃の安室自身を重ねてしまう訳ですよね…

あの頃のエレーナ先生も、こんな気持ちだったんだろうか…

そんな風に思う安室の心境が聞こえてきそうな気がします。


雨の中、「おいで」と言われて 犬はそれを拒否しますが、安室はそっと抱きかかえ一言「一緒に帰ろう…」

まさか安室自ら犬を連れて帰ることになろうとは。

ずっと独りで、孤独で生きてきた男が…ついに一緒に帰る者がいる瞬間…


雨が降っているシチュエーションも安室の心情を表しているようで印象的ですね。

『ゼロの執行人』でも雨のシーンはかなり印象に残っていいますが、
今回もかなり安室らしい切なさと孤独感を思わせる風景…

出会った時も雨。

そして、一緒に帰る時も雨。


雨の中でも画になるのが、まさに安室透。


安室が犬を飼おうとしているのか、それとも飼い主を探そうとしているのか、本当の目的は分かりませんが、
スピンオフにまた新たな展開が生まれ 物語が大きく動き始めました。


この後の展開はかなり新井先生の手腕が試される感じになりますが、どんな展開が待っているのか楽しみですね。

それでは…また来週!