ゼロの日常 TIME.5 君も…
前回は梓さんの得意料理が明かされたポアロ回でしたが、今回はまたもや風見さんのターンでした。
江戸川コナンの公式Twitterでも、コナン君が「風見さんって可愛いよね!」と言っていた通り、
風見さんの可愛さ…というか降谷さんのためにひたむきに頑張る姿が印象的な回でした。
が、
安室さん…つまり降谷零の心境や強さの秘密が分かる回でもありました。
特にこの扉絵。
傘をさして片手にコーヒーを持っている降谷零。
今回の本編を読み終わってから、もう一度この扉絵を見てみると、少し思いがけない発見をする扉絵でもあるように感じました。
さて、本編では、警視庁術科センターで射撃訓練をする安室と風見。
うまく狙いが定まらない風見に対して、安室が的確にアドバイス。
その結果、うまく的の中央に命中させる風見が描かれています。
撃つ前にアドバイスをもらう真剣な表情から、的の中央に命中して少し頬を染めて喜んでいる風見は、見ているこっちも少し嬉しくなってきます(笑)
命中させた後、嬉々とした表情で「どうでした、降谷さん」と真っ先に報告しようとする姿も何だか良いですね。
ただ、もうそこには安室の姿はなくーー
『ゼロの執行人』の日比谷公園や日本橋でのやりとりを思い出す光景…
きっちり報告や任務を果たすと、まるで風のように消えてしまう降谷零。
その描写のおかげか、風見の頑張る姿を見るとより一層応援したくなる部分がありますね。
一見したところ怖そうな雰囲気がありつつも、心の中では年下の上司を支えるため、その上司に認めてもらえために努力する姿…
安室と風見は、何となく父親とその息子を見ているように思ってしまう瞬間があります。
父の背中を追いかける少年漫画の主人公のように、ずっと父を憧れの存在であり続けるも、近くにいるようで、その背中は意外に遠く…
近くて遠い…安室と風見は上司と部下でありながら、警察庁警備企画課と警視庁公安部という所属の違いの距離感もありつつ…
それでも上司をサポートする風見ってやはりコナン君が言うように「可愛い」と感じてしまう瞬間がありますね。
やはり、自分の子供を見守る父親のように…
さて、後半。
安室の鍛練の舞台は、河川敷。
個人的に安室さんが鍛練しているのはジムかトレーニング施設なのかと思いきや、昭和の少年漫画の主人公のように自然の中で修行を積み重ねていました。
河川敷を走って着実にタイムを縮めたり、橋の欄干を使って腹筋したり、片手で腕立て伏せに、手すりに掴まって懸垂…
懸垂500回って相当な量ですよね(笑)
そりゃ『純黒』でも軽々とコナンを投げられますね…
そんな中、安室の脳裏をよぎるのは、スコッチが死んだあの日のこと、ライの後ろ姿…
その想いも、彼を強くしている源の1つなんですね。
このライは青山先生が がっつり修正を入れていた場面ですね。
本当に 2話に1回のペースで赤井が登場するので、
新井先生はあえて狙って赤井を描いているのかも…と推測してしまいます。
スコッチの本名も謎なので、(青山先生が最近少しずつヒントを出していますが(笑))明かされるのが楽しみですね。
ラストシーン。
高架下に迷い込んできた犬を撫でる安室。
君も…
独りぼっちか…
付いてくるなよ、
濡れるから…
このラスト1ページに今回の思いの全てが盛り込まれているといってもいいほど、
本当に印象的な場面でした。
迷い犬を「君」と呼び、
犬と同じく「独りぼっち」だと言う安室。
今まで多くの仲間を失い、組織やポアロに潜入しつつ、
この国を守るという想いのもと、公安として活動ーー
そう、降谷零は常に孤独だと…
犬と自らを重ね合わせた瞬間だったのかもしれません。
青山先生の年賀状では自らを「公安の犬ですから」と名乗る安室が描かれましたが、
ここであえて犬を登場させたのは、「公安の犬」という意味も重ねている可能性もありますね。
雨の中、フードをかぶり高架から出ていく安室。
犬には「濡れるから」と言っておきながらも、雨の中 進んでいく後ろ姿が何とも切ない…
多くの想いを背負いながら雨に打たれるその背中。
ーーうつむくその背中に痛い雨が突き刺さる
まさにコナンで昔流れていた名曲「君がいれば」の歌詞のよう。
そこで、今回の扉絵を見てみると…
傘をさしてコーヒー片手にどこかを見ている安室。
もしかすると、彼は あの犬を探しているのかもしれないですね。
あの「独りぼっち」の犬を…
付いてくるなよと言いつつも、もしや付いてきているかも…という微かな想いを抱きながら。
自らに重ね合わせて。
次回は、ポアロでシークレットミッション発生!
梓さんの出番ですね。
鶴山のおばあちゃまのような印象的なゲストキャラが出てくるのかどうか、どんな任務なのか楽しみです♪