コナンめも日和

「名探偵コナン」についてサンデー中心に書いています。

『ゼロの執行人』簡易感想


『ゼロの執行人』観てきたので、
とりあえず簡易感想を。
以下ネタバレあり。

本当に面白かったです。
素直に何回か観直したい作品。

公開前から「ヒューマンドラマ」「ヒューマンサスペンス」「愛憎劇」と噂されていた部分もありましたが、
それを感じる部分もありつつ、しっかり「コナン」を描いていて、劇場版コナンの新たな扉を開いた作品のように感じました。

何よりも今回初参加の立川譲監督の手腕が発揮された印象。

脚本の櫻井武晴さんも「絶海」「業火」「純黒」に続き4回目の参加ですが、一番櫻井さんの描きたいことが作品に反映されていたんじゃないかなと思いました。

立川監督と櫻井さんは雑誌でも対談していますし、それぞれの描きたいことややりたいことに対する意志疎通が明確だったことも作品の完成度の高さに繋がったのかもしれません。

最初はかなりハードな内容だったそうですが、青山先生や立川監督の助言などによりややマイルドな内容に変更されたそうです。
そのこともコナンらしい作品になった要因かも。

 

内容に関しては、後半にかけての盛り上がり方、作品の緩急のバランスが良かった気がします。石山プロデューサーが立川監督を「こだま監督っぽい」と発言したこともなるほどと思いました。

所々にクスリと笑えたり、ほのぼのしていたりと平和な場面もありつつ、きちんとラブ(愛)も描かれていて、根底にはサスペンス要素 さらにはアクションもあり…

またサイバーテロやドローン IoT家電というトレンド要素も入れつつ、

今回のキーパーソンとなる安室透 つまり公安警察の降谷零の人物像も描きつつ、

そしてもちろんコナンも活躍。コナンとしての心理、新一の思いも随所に見られたのが本当に良かったです。


それから今作、印象に残るシーンがかなり多いんですよね。

loundrawさんがイメージボードを描かれたことの影響もあり、風景描写が繊細でキャラクターの心情とリンクしていてかなり良かったです。

コナンでは今までイメージボードを作成したことはなく、今回初めて作成したそうですが、これは当たりだったな…と思いました。

具体的な場面を挙げると、夕暮れのポアロ前でのコナンと安室。音も含め演出も秀逸。

さらにサーバールームの風見と電話ボックスの安室。これはloundrawさんのイメージにもありましたが、朝日に照らされる電話ボックスが印象的。

また「おじさんのパソコン返して~」と風見に盗聴器を付けるコナン、そして「これでよく公安が務まるな」と風見の腕を引っ張り盗聴器を破壊する安室。

雨の日本橋、妃弁護士の事務所のガラスの雨粒や光の演出。そして、はくちょうが流れ星のように夜空に散る場面。クライマックスにかけての一連の流れなど、それぞれの思いと風景が見事に融合していて素敵でした。


気になる点があるので、また観にいきたいところです。